知る人ぞ知る名機、Aria Pro II PE-40を紹介します。

2026年8月5日

今回はエフェクターでもアンプでもなく、ギター本体の紹介です。

過去の記事でもちょくちょく出てきてますね。こいつです↓

こちらAria Pro IIのPE-40というギターになります。

PEシリーズで最もグレードの低いモデルなので中古市場で見たことある人もいるんじゃないでしょうか。

後ろの数字は定価を表していて、PE-40は定価4万円ですよって一発で分かるようになってます。

今回はこのギターについて紹介していきますぞ\( 'ω’)/

そもそもPEシリーズって何なの(’’?

皆さんご存じの通りかつて世界ではFenderのストラトキャスターとGibsonのレスポールが絶大な人気を誇っていました。

当時日本では本家を上回る程高品質なストラトやレスポールのコピー品が出回っていて、当然Ariaもコピー品をメインに作っていたんですね。

しかしある時当時の社長はこう思いました。『このままじゃやべぇぞ』と。

そうです、日本で生まれるギターの多くがコピー品なのです。

それも高品質で本家より安いんです。そういうギターを作るメーカーが数多く生まれてしまったんです。

Ariaは元々貿易会社なので海外事情に詳しいですから、アメリカが訴訟大国であることを知っていますし、このまま国内でコピー品の価格競争をするのは寿命を縮める行為だとも知っています。

よって早急に必要なのは高品質なオリジナルモデルだということでプロトタイプのギターが生まれました。

それがPEなんですね。

レスポールの欠点である重さと弾きにくさを解消したこのモデルは爆発的な人気を得ることになります。

価格が高級機ほど高くなく、それでいて品質が一線級なのでそれも当然でしょう。

名機として挙げられるPE-R80はその数字が示す通り当時8万円のギターです。

それがプレミア付いて今では美品だと20万を超えてますからね。最初期のPE-1500とか40万超えてるモノも見たことがあります。夢がありますね。

ちなみに先ほど挙げたPE-R80ですが、これは当時の日本の技術力の高さが詰まった正真正銘日本を代表するギターだったりします。

ボディトップの曲線であったり、裏面のカバーがボディ材をくり抜いて作ってあったり。他にもR-80でもやってたかは覚えてないんですが、セットネックなのに実は内側がボルトオンになってて音の伝達が早かったりとかマジでやりたい放題やってます。

ちなみに現行のPEなんですが、安いモデルでも高級感に溢れてて実物見てると普通に欲しくなります。

ぶっちゃけ値段を考えずギターだけで見たら私はGibsonのカスタムショップレスポールより現行の安いPEを選びますね。そんくらい好きです。

私が所有するPE-40について

Aria Pro Ⅱのギターって何気にカタログに載ってない(というか残ってない?)モノが多くて詳細を追いにくいんですが、現状分かっている範囲で紹介します。

製造は韓国のサミックという超大手メーカーで、1998年3月のモノと推定されます。

ボディ材が塗り潰しなので断定は出来ないんですが、直近のモノでアガチスが使われていたので恐らくこいつもアガチスでしょう。

今でこそ安ギターのアルダーはレッドアルダーである事が多いですが、昔はポプラやバスウッドもアルダーと表記してた時代がありますからね。

当然アガチスもアルダーと表記されている事が殆どだと思います。

ネックはメイプルで指板はローズウッド、ナット幅が42mm、ミディアムスケールの22フレット仕様となっております。

Cシェイプのスリムネックなので非常に弾きやすいですね。弦高はうろ覚えですが1.8-2.3~2-2.5辺りで設定していたと思います。ミディアムスケールなので弦高は攻め過ぎず、若干高めの方が縦振動のダイナミクスが広がってサウンド的に良い感じになります。

あとこの個体は珍しい事に3点止めのボルトオンジョイントでありながらシンクロナイズドトレモロブリッジが採用されていますね。

ボルトオン+シンクロトレモロみたいなストラトとレスポールの合体スペックのPEはいくら探しても見つからないので恐らくこの時だけのモノだと思われます。

色が色なのでもしかしたら限定モデルかスポット生産、もしくはショップオーダーみたいな形なのかも知れませんが流石にそこは調べても出てきませんでしたね。

ピックアップはいつものOH-1でしょう。GrassrootsのGH-1Gが安っぽいモダンピックアップならOH-1は安っぽいヴィンテージピックアップって感じです。

ちなみにどちらも安っぽいというか実際使われている材も含めて安いんですけど、今はアンプが高性能過ぎてぶっちゃけこの辺でも十分なサウンドを作る事が出来ます。

この動画で実際にPE-40を使用しているので参考にしてみて下さい。

ヴィンテージ指向のピックアップってミドルに癖があって使いにくいんですが、その辺も含めてセッティングするとこれくらいの音は誰にでも作れるようになります。

重量は3キロ前後とかなり軽いですね。片手でサッと取ってすぐ弾けるので取り回しは非常に良いと言えるでしょう。ちなみにレスポールは4kgちょいくらいのモノが多いかな。

これくらいの重量だと外で持ち運んでいても全く苦にならないし、値段も安いので壊れても正直心的ダメージは無いってのもあって短期出張の時は連れて行ってます。

欠点を挙げるとすれば私が普段使用しているギターが24フレットのロングスケール、ダブルロッキングトレモロで統一しているので弾き心地が全然違う事ですね。長期でこいつ弾いてると癖付きそうになるんで短期出張の時にしか連れて行けません(´;ω;`)

正直このスペックならロングスケールで良かったじゃんねって思うんですよ。そもそも最初期のPEってロングスケールだし。

ちなみにこのPE-40ですが、スイッチが壊れていてリアに入れてもセンターに戻ります。

あとアームが中折れしているのでアーム使えません。

直せるっちゃ直せるんですけど面倒なんで放置してますね。このギターでアーム使う事基本的に無いですし。

というかシンクロナイズドトレモロ用のアームが手元に無いから直す理由が無いんですよ( -ω- `)フッ

音の傾向

動画内でも言っているしこの記事でも書きましたけど、ヴィンテージライクなミドルに癖のあるサウンドですね。

ミドルが若干高めでローが若干低くてハイが大分弱いっていう感じです。

更にギター本体の重量が軽い事もあって音も大分軽いです。非力と言っても良いですね。

ただこの子に関してはボルトオンジョイントでシンクロナイズドトレモロなのでアタック音が明瞭かつ、ミディアムスケールなのでダイナミクス感が大分出ます。

前述しましたが、スイッチが壊れていてセンターで使ってますけど、元がレスポールタイプなのでボリュームとトーンがリアとフロントで分かれています。

なのでリア8、フロント2、トーン10の構成で使う事が多いですね。この辺は音作りをしていてとても楽しい部分になります。ストラトだとこういう楽しみ方は出来ないので。

ぶっちゃけここまで読んでいただければ分かる通り、ヴィンテージライクな安ギターっぽい音なので上位機種たちとは違う音となっております。

正直コイツに関しては音作りを勉強する前の私は使えませんでした。当時EQでドンシャリセッティングにしていたんですけれども、ローとハイが変な持ち上がり方をして全然抜けないし、ミドルに癖がありすぎて気持ち良くない音になるんですね。

音作りの動画では気持ちいい音を簡単に作っているように思うかも知れませんが、ミドルをトップ(イコライザーの頂点)に持ってくるっていうそもそもの考えが無ければ絶対に使いこなせないと思います。

当時の私はヴィンテージライクなPUだから癖のあるミドルは削らなきゃっていう単純な思考をしてましたけど、実際は逆で『ミドルを使いこなしてハイとローをそこに合わせる』が正解だったんですね。

私としてはこの辺で得た学びっていうのは非常に得難いモノだったと自負しております。なんなら今だったらどんな安ギターでも良い音作れる自信ありますもんね。

とは言え私もまだまだギタリストとしてはヒヨッコなんでですね、これからもガンガン成長していく所存で御座いますよ。

PEを中古で狙う時のチェックポイント

↑の動画でもお話しておりますが、Aria Pro Ⅱというのはギター界のSUZUKIです。

安っぽいじゃなくて安いんです。高級機種もありますけど安いモデルも高品質なんです。

ただし電装系がめちゃんこ弱いという欠点持ちなんですね。

あとどのメーカーやブランドでも同じなんですけど、どこまでいっても耐久性は値段通りです。

強いて言えばフレットがステンレスなら摩耗が抑えられる程度でしょう。

という事でまずはAria Pro Ⅱのギター全般に言えるチェックポイントからお話します。

Aria Pro Ⅱというブランドからは多くのギターが売り出されておりますが、その実態は多岐に渡ります。

ギターの重量もそうだし、ネックシェイプもそうです。

Aria Pro Ⅱというブランドはとても挑戦的ですし、とりわけMAGNAやPEは誕生から半世紀近く経ってます。

その中で色んな施策が施されてきたわけですが、見た目でこれ良いなと思っても実際に持ってみると『これは違う』ってなる事もあります。

逆に言うと全然興味ないヤツがめちゃんこフィットする事もあるから侮れないブランドなんですよね。

過去に動画で中古ギターを漁る動画をいくつか出してますが、その中にMAGNAやPEを取り扱ったモノもございます。というかシリーズ単位で言えばほぼ100%出てきてます。

その中で得た知見なのですが、とりあえず一回試奏して下さい。同じ機種でも年代でめっちゃ変わります。グレードでも変わります。なんなら安い機種なんて闇鍋感あるんで冗談抜きにとんでもない当たり個体とか居たりします。私の初代MAGNAがその一例ですね。

という事でこっからPE単体でのチェックポイントなんですが、上記を意識した上で言うならブリッジですね。

正直言うとMAGNAと違ってPEってホントに良い個体は意外と中古に流れない事が多いんですよ。そんくらいマニアが多いんですね。

特にアニバーサリーモデルなんて市場に流れてるのはどこかしら不具合がある事が多いです。大体ブリッジの浮きかエスカッションの割れですけど。

真面目な話電装系であれば直せることが殆どですし、ブリッジの浮きやエスカッションの割れも交換とか穴埋めで済むことが殆どです。

そうです、安いなりに不具合が多いと言ってもそれは前のオーナーが弾き込んだ結果ですし、直そうと思えば素人でも直せるレベルのモノが殆どなんです。

YA○AHAのPacificaの下位モデルみたいにネックに致命傷があるとかそういう不具合は意外と少なかったりするんですね。

一応モノによってはフレットが擦り減ってたりハイ起きしてるモノもあるんですけど、実際のとこメインで使う人ってそこまで多くなくてそういう個体は意外と少なかったりします。だって安ギターだもの。そのくせ何かと実用的で使い勝手が良くて私が初心者にオススメする理由が少しでも分かってくれたら嬉しいです。マジでギターなんてこれで良いんだよ感があるのよ。メインシェクターでサブAriaくらいで良いのよホントに。普段使いはAriaが良いのよ。SUZUKIの車やバイクに乗ってる鈴菌感染者なら絶対に分かってもらえる魅力がある。断言しても良いよ。

まとめ

すいません少々熱くなってしまいました。

私が所有するPE-40についてまとめますと

  • Aria Pro IIのPEシリーズはAriaオリジナルギターの原点的存在。
  • PE-40はシリーズの中でもエントリークラス(最安値)のポジション。
  • ヒールカットが深い為、レスポールタイプにしてはハイポジションが弾きやすい。
  • 重量3kg前後とレスポールタイプにしては軽量。見た目とのギャップが魅力的ですね。
  • マイナーチェンジが早く、中古がメイン。フレット・トラスロッド・ブリッジ・電装系は最低限チェックしておきたい。

見た目のインパクトの割に取り回しがラクなので『レスポールの見た目は好きだけど重いのはちょっとなぁ……弾きにくいのは嫌だなぁ……』って人には刺さるギターだと思います。中古でこれ良いなーって思ったら遠慮せずに試奏してみて下さい。刺さる子はマジで刺さります。